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「Geekatoo」テクノロジーを使いこなせない人たちに、テクノロジーの恩恵を。CEO・Kevin Davis氏インタビュー

  • 500Startups
  • Entrepreneur
Posted by sonu  - 2016.3.15 08:03 -

Geekatooは、ハードウェアを設置したり保守する技術者を家庭に派遣できるプラットフォームサービスだ。500 StartupsのBatch6を卒業し、以降、順調に成長を遂げている。日本のQ&A Corporationとの業務提携を2014年の秋に発表したり、DeNAから出資を受けたりと、日本進出にも積極的なスタートアップでもある。今回は、CEO & Founderである Kevin Davis氏にインタビューをした。


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老若男女問わず全ての人に最新テクノロジーへのアクセスを

――まずは、サービスの概要を教えてください。

Geekatooは主にハードウェア関連の技術者の派遣プラットフォームで、電化製品の取り付けなどのテクニカルサポートを必要としている顧客に有料のサポートサービスを実施しています。我々のミッションは、老若男女問わず全ての人に最新テクノロジーへのアクセスを可能にし、生活を向上する事です。

――御社が解決したい課題と市場規模について教えてください。

現状としてテクノロジーに疎い高齢者層の人口は増加の一途にもかかわらず、テクノロジーは日々複雑化しています。アップルTVなど、取り付けの簡単な物ですら高齢者からは取り付けの障壁が高く、設置を諦めるケースも少なくありません。

また、BestBuyのGeekSquadといった既存の技術者の派遣サービスはあるものの、顧客から$200ほど請求し、技術者には最低賃金しか支払わないというのが現状です。

そこで弊社の使命は、圧倒的な価格戦略、オペレーションの効率化、そしてサポートクオリティを保証する事で顧客満足度の上昇と既存市場をかき回すこととしています。現在、技術者の派遣サービスに対するマーケットは数百億円の規模で既に巨大ですが、数年後にはスマートハウスの導入等でさらに成長の見込める潜在市場が我々の主戦場です。

――現在、直面している課題とその打開策をお聞かせください。

直近の課題はサービスクオリティーの保証です。Geekatooの目指すべきビジネスモデルは、効率的なオペレーションにより、多数の地区へ、少数のオペレーターにより最適な技術者を派遣できる体制です。その点に関しては、1. レーティング制度の導入、 2. 技術者の評価制度の最適化などが解決策としてあげられます。顧客の獲得よりも、サービスのクオリティーを保証することにより、自然と顧客が増えて行くものと考えているので、先ずは顧客満足度の上昇が目標です。

顧客数の獲得に関しては、パートナーシップによる流入を考えてます。上記の通り、既存のビジネスモデルは、入り込む隙がたくさんあります。TargetやWalmartなど、大規模な小売店と積極的にパートナーシップを組むことにより、小売店、顧客、弊社がwin-win-winの関係性になれると信じています。また、Amazonが提供する「Geek Squad」という技術者の派遣サービスがあるにもかかわらず、楽天には技術者の派遣サービスがありません。その様な市場に飛び込む為にはパートナーシップによる事業拡大が必要と考えています。

また、資金調達も大きな目標です。より優位性を保つ為に、大きなスケールでの事業展開が必須と考えているからです。上記の様にアライアンスを組むことも大事ですが、まずは自社のオペレーション能力が問われています。現在は$6-10Mの資金調達を目指しており、主に人材確保に充てたいと考えています。

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目に入ってくる事象に”Why?”という疑問を自分の中で投げかける訓練を

――日本市場に関して教えて下さい。

日本市場は魅力的な市場です。高齢化も進み、我々のターゲットとする市場規模は年々大きくなると予想され、たくさんの優秀なエンジニアの獲得も期待できます。また、現在は自身がMikaさんという日本人女性と付き合っていて、個人的に進出したいマーケットでもあります(笑)。

――創業社長としての自分を、現時点では、どう評価しますか?

評価基準として、売り上げや企業価値など目に見える指標があったとして、僕はまだまだ成し遂げなければならないことがあります。ですが、私がCEOとして最も大切だと感じていることは、コンセンサスビルディングで、様々な立場の意見を的確に捉え、より多くのステークホルダーを納得させるに事に注力しています。このスキルを確立し、初めて自分をCEOとして評価できると考えています。

また、きっぱりとこうした方がいい! と言えるタイプではないので、自分の中ではこのような指標を持つことを大事にしています。

――500 Startupsはどんなことを教えてくれましたか?

500 Startupsは様々はファウンダーと一緒の空間で働けるコーワーキングスペースを提供してくれます。まず、この刺激的で切磋琢磨する環境が良いプレッシャーともなり、心の支えにもなります。また、たくさんのメンターから、効果的なアドバイスをたくさんもらえます。やはり、適度なプレッシャーがグ、ータラにならず、自分を鼓舞してくれました。例えばピッチの練習やVCへの対応をマンツーマンで教えてくれたり、ユーザー獲得の具体的なアドバイスを経験者から直接もらうことができます。特にアーリーステージの企業には、このようなサポートが爆発的な成長には欠かせないと感じました。

――スタートアップ界の現状についてどうとらえていますか?

実は現在、スタートアップ業界は過渡期にあります。現在、注目を浴びているベンチャー企業が数年後にはフレーマーとなり、様々な要因で現在の投資熱は冷めていくと予想されます。そこで成長の機会を求め、沢山の企業が日本を始めとする海外へと矛先を向けていくことでしょう。

――日本の起業家にアドバイスをお願いします。

日本のスタートアップ市場は増加の一途をたどっており、いかに自分達の優位性を保つかが今後の肝となっていくでしょう。日本の起業家にアドバイスを送るとしたら、まずは自社のターゲット市場を見つめ直し、いかに過半数のユーザーを獲得することに尽力すべきです。上記のように、今後、日本における外資系企業の進出の激化が予想されます。しかし彼らは日本市場に関するノウハウを持っていません。市場への理解の深さという比較優位性を意識することが大事だと思います。

また、これは私が日頃から行っていることなのですが、目に入ってくる事象に関して、なるべく”Why?”という疑問を自分の中で投げかける訓練をしています。例えば電車のつり革広告を見ている際、何でこのような配色でこのような宣伝文句を使っているのだろう?自分ならこうするのに!といったような思考の訓練です。

――自分の会社の5年後について、どのようなイメージを持っていますか。

私はこの5年間、会社の規模の拡大に尽力してきました。自社の扱うテクノロジー問う部門は流動性が激しく、日々複雑化し、どんどん便利になっています。と同時に、テクノロジーを使いこなせる人と、そうでない人が享受できる恩恵の格差は広がる一方です。そこでテクノロジー弱者の底上げが私たちのミッションであり、より多くの人々にテクノロジーのメリットを味わってもらうことにより、みなさんの生活の質の向上に貢献したいと思ってます。