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誰もが簡単にアクセスできる知識リソースへ – 調査代行サービス Wonder創業者 Justin Wohlstadter氏

  • Entrepreneur
Posted by 玉井和佐  - 2016.10.2 07:10 -

WonderはWeb上で質問を投げかけると数時間で専門家がレポートにして返してくれると言うもの。専門知識のマーケットプレイスを目指し、創業から4年の月日を経て今では、トップコンサルティングファームから、主婦、学生まで幅広いのユーザーがWonderを利用しています。今回はWonder創業者のJustin Wohlstadter氏にインタビューを行いました。

――Wonderについて教えてください。

Wonderは知識のネットワークを構築する事を目的としています。世界各地に数千ものリサーチャーを有し、顧客は個々の起業家から、Fortune 500、 コンサルティング会社からジャーナリストやニュースキャスターまで様々で、日々多種多様な質問に答えています。主に仕事絡みの質問が多いのですが、例えば、「毎年カナダで生産されている衣服の量」や「ある企業の市場サイズ」等もあれば、個人的なものでは、「今度東京に行くけど、どこに行ったらいい?」とか「今夜有名な映画スターと食事するのだけれど、適切な話題を三つ教えて」なんて面白い質問もありました。ユーザーはWonderに調査のリクエストをすると、リクエストはリサーチャーに送られ二、三時間後にはレポートが返ってくるシステムになっています。

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――このサービスを思いついたきっかけは何ですか?

高校生の時から自分でビジネスを始めようとしていろいろ試みたのですが、まだ年齢的に若すぎて、契約書に僕個人のサインすることができませんでした。だから勢いで会社を建てて会社の名義でサインをしたりなんてこともしてました(笑)。

机の前でじっとしていられない性格だっただけに学生時代成績は本当にひどかったですが、自分の手で何かを作り上げると言うことに関しては誰にも負けない情熱を持っていました。無秩序から秩序を構築していくことが僕の何よりの快感でした。

そんな中、大学院の修士論文で「教育の未来」を取り上げて以来、「教育」の分野に興味を持つようになりました。そこで本当に人の役に立つ教育のプラットフォームはなんだろうと考えはじめたのがきっかけです。そこで着目したのが、生きた専門知識のネットワークの構築です。ウェブ情報が溢れかえっているこの社会で、答えを探すのは一苦労です。図書館を歩き回って手に取る本が、有効でないことも多々あります。Wonderのプラットフォームを使って、見識のある専門家の助けやアドバイスを活用すれば、効率的に自分が学びたいと思う分野の知見が深まります。Wonderは知識教育(knowledge education)から出発し、深い見識のある人間によるガイダンスと同じような有効なツールの提供を目指しています。

――ビジネスモデルについて教えてください。調査代行者達の人件費が負担になるのではと思いますが。

良い質問ですね。創業時に比べ最近は徐々に価格を上げてきましたが、最終的に僕達が目指しているのはリサーチャーへの支払いを高く、顧客の料金を安く、そして自分たちの会社を維持できるだけの利益を産むことです。

そのために常に適切な価格バランスと調査効率を上げるための試行錯誤を重ねています。当社のシステムで一つ上手くいきつつある点は、リサーチャー自体がトピックを選べる点です。リサーチャーに対して当社は時間給ではなく請け負ったリクエストごとに報酬を支払っています。リサーチャーが興味のある分野を選び取り組む事で、調査効率が上がり、彼ら自身の特定分野に対する研究意欲が強ければ、効率よくかつ持続的に調査を続けられるのです。

他にも面白い事実が幾つかあって、Wonderがが抱えるリサーチャーのトップ50の中でも一番若いリサーチャーは16歳の男子高校生なんですよ!このわずか16歳の高校生が自分の得意な専門分野の知識を深めながら世界のトップコンサルティングファームの知識ソーシング源として貢献していると言う事実がWonderのもう一つの価値としてあげられると考えています。彼はWonderを通じて将来につながる貴重な経験をしているのです。一方でトップ50リサーチャーの中に最高齢の84歳の方もいらっしゃいます。こういった意味でWonderは老若男女、身体障害者はじめ様々な人に雇用機会を提供していけるプラットフォームというあり方も重要視しています。

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――今後のビジョンを教えてください。

僕は2012年の10月に最後の会社勤めを辞めて創業から4年。ようやく軌道に乗り始めたWonderですが、これまで幾度も失敗を繰り返しながら実はプロダクトとしては今回が3度目の試みになります。現在は徐々に価格をあげながら持続可能なビジネスモデルを模索していますが、今後低価格化、最終的には無料で学生たちも使えるものも提供できるようにしたいと考えています。

Wonderはユーザーにとっては低価格で効率良く質問の答えが得られる。リサーチャーにとっては自分の都合に合わせたスケジユールで知的資本を使って知的活動をする機会を得られると言う世界的に見ても数少ないプラットフォームです。人口統計学としてWonder を使っていただく機会は多いと思いますし、興味深い解決法も提供していけると思います。創業時のUberが高価格帯のサービスで利益を確保しながら徐々にUberPool等で低価格化を進めたように、我々も今後リサーチャーの質を高め、低価格化を進めます。値段が低いほど知識にアクセスしやすいですから。Wonderしか提供できないツールでリサーチャーに素晴らしい仕事がしてもらえるよう努めていきたいと思っています。

――起業家を目指す若い世代へのメッセージをお願いします。

起業のアイデアを持って相談に来る友人たちに僕が言うのは「最終的に最も大事なのは、どれだけ粘り強く、どれだけ信じる気持ちを持ち続けられるかということ」です。これからの人生の10年、20年を犠牲にする気持ちがなければ起業をすべきではないと僕は思います。今順調なWonderも4年の歳月をかけてやっとスタートラインに立てました。成功をおさめている会社、例えばFacebookでも、IPOまでに8年、そしてその後の成功に至るまでにもしばらく時間がかかっています。長い時間と激務を要するのです。自分を信じることができ、また他人の目にも信頼の灯を灯すことができ、そして彼らにも信じてもらうことができたら、ただひたすら頑張り続けることです。ただただ信じて前進するのです。しつこく長く全力で取り組む先に成功は見えてきます。

WonderのWeb サイトはこちら